西東京市多文化共生センター |
┌-------------------┐ NIMIC通信 No.66(2011年11月) └-------------------┘ ┏┏┏ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏ [11] キーワードを読む 「多文化共生」について理解を深めるために(61) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。 第61回目の今回は、前回取り上げた『多文化に出会うブックガイド』からの1冊をご紹介します。 『私も「移動する子ども」だった ―異なる言語の間で育った子どもたちのライフストーリー』 川上郁雄 編著 2010年5月 くろしお出版 1400円 国際結婚や労働や留学などのために大勢の人々が国境を越える時代となりました。それに伴って、西東京市の日本語ボランティア教室でも、学齢期の子どもたちの姿が増加しています。私は、彼らのことがとても気になっていました。 彼らの頭の中で複数の言語がどうなっているのか。思春期を迎え、大人になる過程で何を思うのだろうか。その後の人生は? そんな思いに答えてくれる本が出版されました。かつて 「移動する子ども」であり、今は大人になっている10人の方が、幼少期・成長期のこと、大人になってからのこと、それぞれの国に対する思いなどを語っている本です。 インタビュアーは 早稲田大学日本語教育研究科の川上先生で、日本で成長している「移動する子ども」を長年研究なさってきた方です。 第一部では幼少の言語形成期を日本国外で過ごして日本に やってきた6人(セイン・カミユ、一青妙、華恵さんなど) に、第二部では幼少から日本で暮らし複数の言語の中で成長した4人(コウケンテツ、フィフィさんなど)に、一人一人の事情を踏まえながら言語習得についてやその思いに迫っていきます。 「まわりの同世代の子に比べてアイデンティティに目覚めるのが早い」「どちらに対しても中途半端な気がして・・・落ち込む時期があった」「物事を客観的に見られる」、言葉が話せなくても母国に対して熱い思いを抱いている人など。この本の中には「移動する子ども」の現実があふれています。 (NIMIC会員 根本 百合) |
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