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┌-------------------┐ NIMIC通信 No.93(2014年3月号) └-------------------┘ ┏┏┏ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏ [12] キーワードを読む 「多文化共生」について理解を深めるために(87) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。 第87回目の今回は、「画期的な日本語論」と表紙にありますが、学者の方が一般読者に向けて書いた本です。 「日本語は生きのびるか ―米中日の文化史的三角関係―」 平川祐弘著 河出書房新社 2010年2月 著者は、フランス・イタリア・ドイツへの留学経験を持ち、大学で仏語・イタリア語・比較文学・比較日本文化論などを教え、北米・中国・台湾などでも教壇に立ったという方です。 「22世紀に、日本列島に住む人々ははたして何語を話しているだろうか。」巻頭に掲げられたこの問いは、考えると本当に難しいです。 かつて、日本は東アジアの漢字文明圏の一員として漢文を学び、幕末からは西洋文明を学び、外国文化をうまく取り入れつつ独自の日本語・日本文化を育んできました。 一段と複雑さを増していく近代日本について、現代から来世紀への展望まで、言語だけでなく文化の様々な面を語っています。 上記の問いの答えはなく、読者に投げかけられたままです。日本語は日本国内でしか話されないという、世界で見ればマイノリティ言語です。 これまでにも、漢文と日本語、標準語と地方の言葉など様々な形でバイリンガル状態はありましたが、21世紀に入り言語が世界的に英語化されていく中で、22世紀にはより難しい英語とのバイリンガルが要求されることになるだろう。さらに、日本の国を導くエリートには文化の三点測量ができる人が必要ではないかとのこと。 グローバル化する社会への懸念にも触れられています。詳しくは本をお読みください。 22世紀に日本列島に住む未来の人々、がんばれ!! (NIMIC会員 根本 百合) |
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