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NIMIC通信 No.40(2009年8月)
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┏ [12] キーワードを読む
「多文化共生」について理解を深めるために(35)
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NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
35回目の今回ご紹介する本は漫画形式ですが、2002年の発売以来売り上げがシリーズ(1)(2)(3)あわせて235万部を突破しているすごい本です。世の中に広く出回っていますので、すでにご存知の方も多いのではないでしょうか。
『ダーリンは外国人』(1)(2)(3)with BABY 小栗左多里 メディアファクトリー
(1)2002年 880円 (2)2004年 950円 (3)2008年 1000円
『ダーリンの頭ン中 —英語と語学—』 小栗左多里&トニー・ラズロ
2005年 950円 メディアファクトリー
漫画家の小栗さんが言語学者のトニー氏(ハンガリーとイタリアの血をひいてアメリカで育ったものすごい語学おたく)と一緒に暮らし始め、結婚や子育てまで生活の様々な場面で出会う「なんじゃそりゃ」「なんで!?」、思わず笑ってしまう「大ボケ小ボケ」なことを面白おかしく描いています。
結婚生活では国籍よりも個人の資質のほうがはるかに重要と作者も繰り返し言っているのですが、漫画家と言語学者という観察力に富んだふたりの組み合わせが絶妙です。異文化のすれ違いがなんといっても面白く、言葉のことも頻繁に話題になります。
「『やれああしろこうしろ』の『やれ』って何?」、「『ぶん殴る』ってなんで『ぶん』なのかなー?」「『ぶん』って音の感じが腕を振った感じするからじゃない?」「そうねー、『ずん』とか『どん』でもいいじゃない?」・・・〈ずん殴る〉〈どん殴る〉変な感じ?!
そこで、語学に関することをまとめて、ご夫君トニー氏と共に描いたいわば外伝にあたるのが『ダーリンの頭ン中 —英語と語学−』です。
漫画の形ではありますが、これがなかなかの本格的語学本(しかも学習者が書いた)で、私の一押し。寝苦しい夏の夜におすすめです。
国際結婚が楽しそうに描かれ過ぎという気はしますが、すれちがわないよう一生懸命お互いに話し合う姿勢は、日本男性もおおいに見習わなければいけないのではないでしょうか。
(NIMIC会員 根本 百合)
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