西東京市多文化共生センター

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  NIMIC通信 No.136(2017年12月号)
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┏ [9] キーワードを読む
   「多文化共生」について理解を深めるために(130)
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  NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。
 この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
 第130回目の今回は、世界の多くの貧しい国を旅した作家、石井光太さん が日本の小中学生に語りかける本です。

『幸せとまずしさの教室 ~世界の子どものくらしから~』
石井光太著 少年写真新聞社 2015年 
    
 著者は1977年生まれ。  アジア、アフリカ、南北アメリカなど世界中を旅行しながら、 ドキュメンタリーから小説まで、幅広いテーマで執筆活動を続けています。
 この本は、4時間授業の形式で、日本の小中学生とのやり取りを交えて話が開していきます。
 世界の人口72億人の3人に1人位が貧しい暮らしをしていて 、1日1.25ドル以下で生活している人が約12億人いるが、外国に行った 人しかそのことに気づくことが無いという事実から始まります。
 この「まずしさ」とは何かを4時間の授業にして、日本の子どもが生活実感として感じられる よう説明していきます。
 1時間目「すまい」はスラムやバラックについて、2時 間目「生活の方法」は飲み水、生活水、トイレのこと、3時間目「学校と仕事」は 学校に行ける子どもと行けない子ども、児童労働、少年兵について、4時間目 「ストリートチルドレン」はその仕事、生活、仲間や楽しみなど彼らの日々の暮 らしについてです。
 タイトルにも「まずしさ」という言葉があり、今の日本の子どもたちにどう語 るのか、興味を持って読みました。……学校に行かないと読み書き計算が できないだけでなく、他の人の考え方に接することが無く、社会を知らず、社 会で自立して生きていく力が身につかない。
 そのため「貧しさは遺伝する」な どと言われる。
 ストリートチルドレンはその存在を許し、少しづつ支援してく れる街の人々に支えられて生きている。
 また、貧富と幸不幸は別のもの、人 はどんな環境にあってもそこで喜びや楽しさを探し、夢や希望を持って生き ていく。……これらの言葉に、とても懐の深い本だなと思いました。
 今の日本の子ども達に、ぜひ読んでほしい本です。 2、3時間で読めます。
 大人の方々も、ぜひお読みください!
   (NIMIC会員 根本百合)
 
 
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