西東京市多文化共生センター

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   NIMIC通信 No.153(2019年6月号)
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┏ [12] キーワードを読む
      「多文化共生」について理解を深めるために(147)
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 NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉 をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。 第147回目の今回は、ズバリ多文化共生について考える本です。


『〈超・多国籍学校〉は今日もにぎやか! ―多文化共生って何だろう』     菊池 聡 著 岩波ジュニア新書 2018年11月刊

   神奈川県横浜市泉区に「飯田北いちょう小学校」という公立小学校があり、 著者は昨年まで15年間、ここで国際教室担当教員を務めました。隣接する 大和市に「インドシナ難民定住促進センターが設置されて(1980-98年)、 日本語教育や職業訓練などを終了した人々の多くが県営いちょう団地に入居 したことから、外国人が集住する地域となりました。少子高齢化で日本人児童 は減少し、2017年度の児童数は275名、その中で外国に関係のある児童の数 は148名で54%にのぼります。日本生まれあり、小学校の途中で日本へ来て 全く日本語の分からない子あり。家庭内言語も様々で、学習に関してはレベル の差があるが、みな何らかの形の支援を必要としています。この学校では、国 際教室を中心に、学級担任、通訳、大学生、地域ボランティアなどが一体となっ て、子ども一人一人をきめ細かく支援しています。支援内容は、日本語指導、 生活適応指導、教科学習指導、行事などへの活動支援、更に母語教室で 母語を保持しその能力を伸ばす取り組みも行っています。最終的に、子どもた ちが自分のルーツを知り、自信をもって将来の夢を思い描けることを目指す この教育は、素晴らしいと思いました。 この学校では、5年生の総合的学習で「移民理解学習」を、6年では「難民」 について学ぶそうです。日本に居ながらにして、この環境で育つ日本人の子 どもたちにとっても、未来を先取りしたような、得難い環境だと思います。本の 最後に、アメリカやブラジル、シンガポールなどの考え方も紹介されています。
                       (NIMIC会員 根本百合)









 
 
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