西東京市多文化共生センター

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   NIMIC通信 No.8(2006年12月)
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もくじ
[1] お知らせ「NIMIC忘年会『留学生との夕べ』」
[2] イベント情報「(仮)日本の伝統文化を知る~雅楽」
[3] 講演会報告「日本語ボランティア活動のヒント」
[4] 報告「武蔵野大学留学生日本語スピーチコンテスト」
[5] 会員より「日本雅楽会第45回雅楽公演『源氏物語への誘(いざな)い』」
[6] NIMICの1年目・2006年を振り返って
[7] 世界の国々・人々 ~モンゴル③~
[8] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために④
[9] 今後の事業予定
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┏ [1] お知らせ「NIMIC忘年会『留学生との夕べ』」
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 NIMICの忘年会として企画した留学生との交流会が、いよいよ3日後に迫っています。現在、韓国や中国、オーストラリアやアメリカからの留学生が参加予定です。
 会員や非会員の方々の参加申込みも寄せられています。追加申込みをぎりぎりまで受け付けていますので、ぜひご参加ください!一人でも多くの方々のご参加をお待ちしております。
 
日時:12月13日(水)午後6時30分~8時30分
場所:武蔵野大学 7号館5階会議室(眺めのいいステキな部屋です)
プログラム:楊さんの二胡演奏、武蔵野大学留学生で中国少数民族ドン族ウェイウェイさんの踊り ※食べ物(北京飯店の餃子・お寿司・カナッペなど)・飲み物(お酒・ソフトドリンク)あり。1品持ち寄り大歓迎。
会費:会員2,000円/会員以外で当日入会なさる方は年会費込み3,000円(小学生500円) ※留学生は招待(無料)
申し込み:参加なさる方全員のお名前を書いて、以下のいずれかの方法でNIMIC事務局へお申込みください。 (1)メール(info@nimic.jp)、(2)ファックス(FAX:0422‐53‐5350)

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┏ [2] イベント情報「(仮)日本の伝統文化を知る~雅楽」
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 日本の伝統音楽のひとつである「雅楽」。日常生活の中では、なかなか触れる機会がありません。そこで、外国の方にとっては異文化、日本の方にとっては自分の文化のルーツに触れるチャンスを設けました。
 当日は、雅楽で使用される楽器のひとつである「笙」の演奏を中心に、楽器や雅楽の歴史にも触れ、千年以上前の雅楽のルーツに思いを馳せてみませんか。

日時:2007年(平成19年)2月24日(土曜日)午後2時~4時
場所:南町文化・スポーツ交流センター「きらっと」2階
プログラム:講演「(仮)雅楽の歴史と楽器・雅楽って?」、雅楽コンサート、交流会
演奏:鈴木治夫さん(日本雅楽協会副理事長)
※詳細は、次号でお知らせします。

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┏ [3] 講演会報告「日本語ボランティア活動のヒント」
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 12月9日(土)午前10時から行われた講演会「日本語ボランティア活動のヒント」の模様について、速報でお知らせします。
 
 当日は冷たい雨の降る中、コール田無の会場には笑い声が響いていました。講師の春原憲一郎さんは、長年、財団法人海外技術者研修協会で日本語教育に携わり、また、近年は大学で教鞭を取ったり、政府の諮問機関にも関わったりしていらっしゃいます。
 ホットな話題であるフィリピンからの介護福祉士の研修企画もお仕事のうちで、その内容から講演が始まり、いまや多言語・多文化は概念として語られるのではなく、プライベートな面から始まっていることを具体的に示されました。その上で、言語が使えて初めて社会活動に参加できるという従来の言語教育の考え方ではなく、社会活動に参加しながら言語を身につけていくことを地域日本語ボランティアの現場では考えていく必要がある、とおっしゃっていました。
 また、話を聞くだけでなく、地域で人間関係を作っていくには世間話(おしゃべり、雑談)がどれほど大切かを参加者が実感するためのワークのほか、世間話を弾ませるための材料を使ったワークショップもしました。
 今後、日本語ボランティア活動の現場を、外国人にとって「油断できる場所」にしていこう、という言葉が印象的でした。

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┏ [4] 報告「武蔵野大学留学生日本語スピーチコンテスト」
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 NIMIC会員である武蔵野大学の堀井惠子先生からお誘いのあった「第2回学長杯武蔵野大学留学生日本語スピーチコンテスト」で優勝した武蔵野大学の留学生・朴ジンスさんの喜びの声をお伝えします。

 まず、今回のスピーチで優勝ができ、うれしい限りです。実は、今回司会を頼まれましたが、去年2位で終わりましたのでリベンジしたくお断りしました(笑)。
 私は韓国と日本が本当に仲がよくなることを祈っており、そのためにいろいろな活動をしています。両国がうまくいくためには、私たちが努力しなければなりません。外交官の仕事だと思ってほっとくと、韓日、日韓の関係は絶対よくならないでしょう。皆で頑張りましょう。理論だけではなく、実践を!!
 どうもありがとうございました。

 朴さんは、NIMICの活動にも関心を持ってくださり、今回コメントを寄せてくださいました。朴さんは現在武蔵野大学人間関係学科の3年生で、学内、学外で韓日友好促進のための活動をなさっています。
 NIMICも「忘年会・留学生との夕べ」を機に、留学生と地域との交流事業を進めていきたいと考えています。

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┏ [5] 会員より「日本雅楽会第45回雅楽公演『源氏物語への誘(いざな)い』」
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 NIMIC監事であり、また、日本雅楽会副理事長としても活躍中の鈴木治夫さんから日本雅楽会第45回雅楽公演「源氏物語への誘(いざな)い」のお誘いが届きました。
 
 今から千年余り前の平安時代に書かれた『源氏物語』の中から、当時演奏されていた管絃曲と舞楽2曲(萬歳楽、敷手)を演奏します。萬歳楽という舞は、『源氏物語』の中では、光源氏の40歳の誕生日のお祝いにも舞われています。この萬歳楽は唐(中国)で作曲・作舞されたもので、鳳凰が天空を舞い囀る姿を舞にしたものと伝えられています。今回の演奏会から千年余り前の人達が、中国からの大陸的な文化を吸収しながら、日本的な繊細さも加味して芸術音楽として完成させようとした昔の人達の息使いを感じていただければと思います。 舞人の装束はめったに見られないもので、色使い・デザインとも千年前のものとは思えぬ斬新なものです。
 現在、雅楽は芸術音楽として、世界からも見直され始めています。みなさまのご来場をお待ちしております。
 
日時 12月20日(水) 昼の部14:00開演 夜の部18:30開演
会場 国立劇場小劇場
公演内容 日本雅楽会第45回雅楽公演を「源氏物語への誘(いざな)い」
入場料 S席 4,000円、A席 3,000円(全席指定)

詳しくは、日本雅楽会ホームページhttp://www.nihongagakukai.gr.jp/をご覧ください。

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┏ [6] NIMICの1年目・2006年を振り返って
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 地域における「多文化共生社会」の実現を目指して、市民として活動するためにNIMICを設立し、2006年4月1日、NIMICは設立の会を開催しました。
 設立からまだ1年は経っていませんが、年の瀬に、NIMICの2006年を木下副代表理事が振り返ります。

 市からの依頼に基づいて、1年がかりで検討した「国際交流組織設立検討懇談会」の提言書をまとめ、坂口西東京市長に提出したのが昨年の10月。ほっと一息かなあ、と思う間もなく「鉄は熱いうちに」とばかりにNIMIC設立の運びとなりました。
 3月16日に設立総会、4月1日には市民の皆さんに設立お披露目の会、5月28日には記念イベント。6月は太鼓で・・・日本語ボランティア講座、外国人のための相談会、二胡体験講座など、そして12月の留学生との交流忘年会まで、そのほとんどは市との共催ですが、矢継ぎ早に事業を行ってきました。
 バイタリティあふれる佐々木代表、総ての事業の仕切り人山辺副代表、センスあふれる広報担当の種村理事、苦しい台所のやりくり名人・緻密な斎藤理事、二胡で活躍の楊理事、2月に雅楽を奏してくれる鈴木さんは監事、と、個性豊かで有能な役員の中で、私は果たして何ができたのだろうか。仕事では、国際交流活動に携わっていたので、多少でも、その経験をいかせたのかしら?それにしても、ホームページで頑張ろうかと、ホームページビルダーを買ってはみたものの、いまだにマスターできないし、事務所の番人も不十分だったなと、反省することしきりです。
 しかし、小学校入学の時からこのまちに住んでいるのに、仕事人間で、地域とのつながりが薄れていた私にとって、多文化共生という視点で始まった、NIMICという新たな活動に関わることにより、地域に戻りつつあるという実感と、また新たな出会い・ともに創る喜びが得られたことは今年の大きな収穫です。
 そして、同じように、仕事オンリーだった方々にも、是非ご一緒に、と呼びかけていきたいと思えるこの1年でした。 (NIMIC副代表理事 木下伸子)

 みなさんの2006年はいかがでしたか?
 2007年がより実り多きものになりますように・・・よい年をお迎えください。

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┏ [7] 世界の国々・人々 ~モンゴル③~
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 「世界の国々・人々」と題したこのコーナーでは、ある国にスポットをあて、その国の文化・人々との交流を、不定期ですが、いろいろな形でお届けしていきます。
 前号に引き続き、NIMIC代表理事であり、武蔵野大学・大学院教授でもある佐々木瑞枝先生の書き下ろしエッセイをご紹介します。

 モンゴルの古き都、カラコルムで求めた「磨り減った印鑑」は空港の税関で「文化遺産の調査期間として二ヶ月を要す」と言われ、私は官吏の手書きによる約束の文書(それもモンゴル語で書かれていたのでまったく読めない)を手に、半信半疑で帰国した。

 いったい、カラコルムからウランバートルの間だけ、私に所属した印鑑は私のもとに戻るのだろうか。

 私は帰国後すぐに、武蔵野大学大学院の卒業生のツアツアさんに連絡をとった。彼女は私が武蔵野大学大学院の教授として着任したときの第一期生なのだ。

 「先生、この文書には、調査を終えたら返却します。ウランバートル空港まで取りにきてください」とあります。とツアツアさん。私はそれを聞いて一瞬、これはもう駄目だ、あの印鑑は諦めようと思った。

 「先生、私の父に頼んで、印鑑を取り戻してきます」とツアツアさんは勢い込んで言う。私の執念が伝わったようだ。
 「でも、お父さんだって、忙しいでしょう」
 「いいえ、父ならきっと大丈夫です」
なんと頼もしい一言、私はツアツアさんにモンゴル語で書かれた書類を渡し、その後待つこと数週間、ツアツアさんから連絡があった。

 「父が印鑑を取り戻したそうです。書類があるのに、なかなか返してくれなくて、大変だったそうです」
 やはり、モンゴル人でも大変だったのか。モンゴル語のやりとりで大変なら、英語のやりとりでは拉致があかなかったかもしれない。ということは、やはりあの印鑑は本物?
 それにしても、もし私がわざわざウランバートル空港まで取りに行けたとしても、印鑑がこの手に戻るとは限らなかったわけだ。ツアツアさんのお父さんに感謝・感謝。

 「先生、まだ安心しないでください。今度はウランバートルの空港から日本に持ち出さなくてはなりません。まだ印鑑は父のところにあるわけですから」

 というわけで、印鑑はまだ手もとに戻っていない。この話の結末はどうなるのだろうか。
 次回は印鑑が戻れば、印鑑の話を、戻らなければ、ジンギスハーンの戦闘シーンが再現された時の様子を書くことにしたいと思う。
                 (武蔵野大学・大学院教授 佐々木瑞枝)

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┏ [8] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために④
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。4回目の今回は、異文化コミュニケーションに関する一冊です。

『多文化社会と異文化コミュニケーション』
 伊佐雅子監修/池田理知子/灘光洋子/吉武正樹/E.M.クレーマー他著
 2002 三修社 (2400円+税)

 この本は、もともとは大学の「異文化コミュニケーション論」のテキストとして企画されたようですが、幅広い人たちの教養書も目指しています。この分野で活躍している8人の著者が、通訳のプロセス、英語の氾濫、世界の単一文化化などについて事例を挙げながら話を展開しているので、専門外の人にもわかりやすい内容となっています。
 この本のキーコンセプトは「多文化主義」と謳っているように、さまざまな文化をグローバルな視点で捉えてあります。今までの国民国家を軸とした異文化コミュニケーションだけでなく、障がいや世代差を超えてのコミュニケーション、マスメディア(CM)と異文化コミュニケーションの関係などの章もあります。
 これからの季節、コタツの中で、あるいはストーブの前でのんびりページをめくりながら考えてみてください。「思い込み」から解放され、新しい視点が得られるかもしれません。

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┏ [9] 2006年度・今後の事業予定(12月以降)  ※詳細は随時お知らせします。
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12月13日(水) NIMIC忘年会「留学生との夕べ」
(2007年)
2月24日(土) 日本の伝統文化(雅楽) ★
3月17日(土) 春休み子ども対象企画「(仮)たのしい英語!」 ★
3月 「(仮)日本語ボランティアにすぐに役立つワザ」
  ★印は、西東京市との共催事業です。

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 今回のNIMIC通信は、いかがでしたでしょうか。みなさまのご意見、ご感想をお待ちしております。
 メールはこちら→→→ info@nimic.jp
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