西東京市多文化共生センター

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   NIMIC通信 No.14(2007年6月)
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もくじ
[1] 講座のお知らせ「日本語ボランティア・スキルアップ講座②」
[2] 講座報告「日本語ボランティア・スキルアップ講座①」
[3] 講座報告「日本語を母語としない子どもの学習支援ボランティア養成講座」
[4] 報告「留学生ホームビジット」まであと2週間
[5] 会員より「坂の街・テグシガルパの窓から①」
[6] 世界の国々・人々 ~忘れられない旅④~
[7] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために⑩
[8] 2007年度・今後の事業予定
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┏ [1] 講座のお知らせ「日本語ボランティア・スキルアップ講座②」
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 今回は、武蔵野市国際交流協会の自主グループで「生活漢字」を取り上げ、活動をしてこられた皆さんにおいでいただき、生活漢字の活動経緯、活動内容紹介(使用教材・漢字カードの紹介、印象に残ったこと等)、漢字を使った簡単なワークショップなどを計画しています。
 「退屈にならないように、楽しく、参加できる」ことをモットーに活動していらしたボランティアの皆さんから、日々の活動に生かせるヒントがたくさん学べるものと思います。

日時:7月27日(金) 午後1時~3時
会場:イングビル 3階 第1・第2会議室(西東京市南町5-6-18 田無庁舎隣)
テーマ:「生活漢字のワークショップ」
対象者:現在外国人の日本語学習をサポートしているボランティア、及び経験者等
講師:武蔵野市国際交流協会 漢字グループの皆さん
参加費:NIMIC会員無料/会員でない方は1,000円
定員:40名
申し込み:6月25日から会員優先、先着順で受け付けます。(一般6月29日から)
メール info@nimic.jp FAX 0422-53-5350まで。

※この講座は西東京市社会福祉協議会「地域福祉活動助成金」を受けています。

★日本語ボランティア・スキルアップ講座について、詳しくはNIMICのHPで。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/nihongokouza.html

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┏ [2] 講座報告「日本語ボランティア・スキルアップ講座①」
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 5月19日午前10時~12時、イングビル会議室で、中野区国際交流協会専門員の中山真理子さんをお迎えして、2007年度第1回スキルアップ講座が開催されました。
 当日は急な雨にもかかわらず、市内ボランティアを中心に近隣の市からの参加者を交え、38名の方々が熱心に話を聞き、質問をぶつけられました。
 中野区国際交流協会では、一時滞在者や学生のためではなく、在住外国人のための日本語講座を開催しており、日本でフルメンバーとして生活していくための日本語、つまり読み書きを含めた日本語習得を目指しています。そのための独自教材や、教室活動を支えるボランティア養成のシステムなど、地域の小さなボランティア教室にすぐに取り入れられるものではありませんが、ひとつの考え方として学ぶべきものが多いようでした。
 中山さんが、講座終了後質問に対応する時間を30分用意してくださっていたので、最後まで熱心に質問や意見交換される方々がありました。アンケートにも、「日頃の疑問が解消された」「質問の時間が十分あり良かった」などのコメントがありました。

※この講座は西東京市社会福祉協議会「地域福祉活動助成金」を受けています。

★日本語ボランティア・スキルアップ講座について、詳しくはNIMICのHPで。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/nihongokouza.html

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┏ [3] 講座報告「日本語を母語としない子どもの学習支援ボランティア養成講座」
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 西東京市と共催で、「日本語を母語としない子どもの学習支援ボランティア養成講座」が始まっています。
 5月19日(土)午後に、第1回目の講演会が開催されました。当日は60人を超える参加者があり、用意した椅子を何回も追加する盛況ぶりでした。
 まず、市教育委員会の石井統括指導主事から「市教育委員会における外国人児童・生徒のための日本語指導の現状と課題」についてご説明いただき、その後、この分野の第一人者である国立国語研究所の野山広氏から「外国にルーツを持つ子供の教育を施策の面から考える~共生の時代に応じた日本語教育政策の構築に向けて」と題する一時間半にわたる講演がありました。
 多文化共生の時代に応じた年少者日本語教育のあり方を問う、大変率直で、幅広くかつ内容の深い、極めて示唆に富むお話でした。
 
 この講演会終了後の説明会で受講申込み登録をされた方約40名の方々を対象に、連続講座が始まっています。
 5月25日(金)は田無庁舎において、東京女子大学准教授の石井恵理子さんに「外国にルーツを持つ子どもたちの現状と教育~学ぶ力を育てることばの教育~」についてお話しいただきました。
 「日本語指導が必要な子どもとは」から始まって、日本語による「学ぶ力」の獲得について、「生活言語能力」「学習言語能力」「メタ認知能力」の面から解説され、第2言語として日本語を学ぶ子どもたちにとっての協働活動の流れを紐解いてくださいました。今後の講座の大きな枠組みが俯瞰できるお話しでした。
 翌週の6月1日(金)は同じく田無庁舎で、波多野ファミリースクールの大蔵守久さんに、「子どもの日本語教育~年少者への効果的指導法」と題して、具体的な実践例を披露していただきました。子どもたちがどのように日本語を身につけていくかをまず解説され、その時期に合わせた効果的な指導法としての実践例を示されました。マジックを見るような数々の工夫の裏にしっかりした理念があることを忘れてはならないと思います。

★これまでのイベントの報告は、NIMICのHPでご覧いただけます。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/event_houkoku.html

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┏ [4] 報告「留学生ホームビジット」まであと2週間
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 留学生ホームビジットを6月24日(日)に控え、5月25日(金)にマッチング会議、6月1日(金)には当日パーティー打ち合わせ、事後アンケート内容検討などを行いました。
 6月8日現在、13家庭と学生さん15名の申込みがあります。6月3日に受入家庭と学生さん双方に、名前や国籍、家族構成などの基本情報を伝達し、注意事項などを伝えました。直後に、はしかの影響で休校になった大学の合宿が24日に変更になったと連絡があり、学生さんのキャンセルが1件ありました。その後、学生さんの参加申し込みがあり、現在15名となっています。今後24日の実施まで、双方に支障が出ないよう祈っています。
 初めて受け入れるご家庭から、「どんな学生さんが来てくれるか楽しみですが、何をして過ごそうか、よく分からなくて、家族で相談しています」というメールが届いたり、受入家庭を知らせた学生さんから「小さいお子さんがいらっしゃるんですね。子どもが大好きだから、とっても楽しみです」という返事を頂いたり、連絡係りとして、それぞれの思いが伝わってきて楽しいときを過ごしています。そして、この企画の意義も実感しています。
 なお、近隣の大学回りをはじめ各種計画調整は、募集に応じてくださった会員と理事など8名の実行委員が担当しています。7月号の報告を楽しみにしていてください。

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┏ [5] 会員より「坂の街・テグシガルパの窓から①」
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 2006年6月に「西東京市で響きあう ~共演、ガーナの太鼓・日本の和太鼓~」と題して行ったイベントに協力していただいた(お仕事の都合により、残念ながら当日は出演していませんでしたが、コーディネート、練習等でご協力いただきました)「保谷和太鼓会」のメンバーがホンジュラスの首都テグシガルパに赴任し、現地の様子をリアルに伝えるおたよりを寄せてくださいました。以下にご紹介します。
※テグシガルパは盆地とはいえ、たくさんの丘があり、坂の多い街だそうです。

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 「仕事でしばらくホンジュラスに行ってきます」
 友人知人にこう報告すると、返ってくる答えは判で押したように、
「へぇ…で、どこでしたっけ、それ?」
というものでした。
 そんな知られざる中米の国、ホンジュラスに来て数ヶ月。
 日々の暮らしで出会った小さな驚き、発見のあれこれをお届けします。

-ホンジュラス人は早起き-
 ラテンの国って、のんびりしたイメージがありますが、ホンジュラス人は意外と早起き。
 官公庁は8時から始業なので、それに合わせて交通渋滞も7時から8時前がピークです。さらに子どもたちはもっと早く家を出ます。多くの学校は朝7時頃から授業が始まるのです!まだ暗いうちに起きなければいけない子どもたちも大変ですが、その準備をするお母さんはもっと忙しいことでしょう。
 もちろん始業時間が早いぶん、会社の定時は16時です。そして学校は午前中に終わります。そう考えると、朝は辛いけれど、午後の時間を有効活用できそうですね。
 幸か不幸か、私の仕事は日本と同じ9時始業、そして終了時間は日本と同じ(?)エンドレスなので、早起きはしなくてよいけれど、アフターファイブの有効活用はできそうにありません…。
                       (Yuko Watayama)

 次号も、「坂の街・テグシガルパの窓から」を掲載しますので、お楽しみに!

★2006年「西東京市で響きあう ~共演、ガーナの太鼓・日本の和太鼓~」の様子は、NIMICのHPでご覧いただけます。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/event/060617.html

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┏ [6] 世界の国々・人々 ~忘れられない旅 ④~
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 「世界の国々・人々」と題したこのコーナーでは、ある国にスポットをあて、その国の文化・人々との交流を、不定期ですが、いろいろな形でお届けしていきます。
 引き続き、NIMIC代表理事であり、武蔵野大学・大学院教授でもある佐々木瑞枝先生の書き下ろしエッセイをご紹介します。

71日間、世界の青年たちとの船の旅

 第四回 「「制服」に賛成?反対?」

 「世界青年の船」にはユニフォームがあった。
 日本丸が出航するときは、参加者全員が制服に身を包み、せっかく13カ国268人もの青年たちが乗っている船はベージュ一色となった。
 私がファッションコーディネーターなら、船が出港の際は「各自、思い思いのファッションをすること、できれば民族衣装を身にまとってください」といっただろう。
 そうすれば、船の上はさぞバラエティー豊かなものとなり、「多文化の文化の交流」が見送る人にも航海に出る青年たちにも目に見える形で実現できたのではないかと思う。
 
 しかし・・・である。出発の数ヶ月前に、参加者全員のサイズが洋服屋さんの手で計られ、制服は特注品として注文され、出発の数週間前には恭しく自宅に箱入りで届けられたのだ(もちろん、すべて税金で賄われている)。
 
 「私はあなたの制服です。これからの航海はこの制服に身を包み、「世界青年の船」の団体の一員としての行動をしてください」と制服は言っているかのようだった。
 
 「制服」というお仕着せを身につけることに対して、日本人ほど鈍感な国民はないのではないだろうか。
 デザインもまあまあ。呼び方も「標準服」ということにしたそうだが、英語になると「ユニフォーム」だ。
 
 全員が制服を着ることに対して反対の狼煙をあげたのは、ドイツ、ギリシャ、イタリアなどの青年たちだ。
 
 「着たい人などだれもいない」とドイツのマシアス。
 「日本の経済的ミリタリズムを見せたいんでしょう」とイローナが同調する。日本人の青年たちが「制服を着ると落ち着く」というのと大した違いだ。 もっともエジプトの背年がいう「服装で貧富の善が出なくて良い」という意見も一理あるかもしれない。
 日本人は子供のころから、体操の時に着る服は決まっているし、中学・高校になれば、大半が制服で授業を受けた記憶があるはずだ。
 
 企業に入れば「企業用制服」もある。
 
 これがミリタリズムに通じるか否かは、個人個人の意見があるだろうが、個性を埋没させる役割だけは十分に果たしていると思える。
 
 多文化共生社会に制服は無用だと考えるが、皆さんはいかがお思いになるのだろうか?
                   (武蔵野大学・大学院教授 佐々木瑞枝)

★これまでに掲載したエッセイのバックナンバーはNIMICのHPでご覧いただけます。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/magazine/essay_1.html

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┏ [7] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために⑩
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。10回目の今回は、日本文化を改めて考えるための一冊をご紹介します。

『日本人と日本文化』
 司馬遼太郎/ドナルド・キーン 1996 中央公論社文庫 579円
 
 本書は、原型日本人を具体的な歴史背景と人物を描き、歴史の香りを味合わせさせながら日本文化について読みやすく対談しています。
 一例として、日本文化の起源は、平安時代からスタートさせるのが常とされていますが、生活文化を中心に建物・考え方という視点から見ると、茶道、華道、能、狂言などが出てきたり、物事を文字で記録することが大衆化した室町時代からスタートするとしています。この時代の北山文化(足利義満:金閣寺)と東山文化(足利義政:銀閣寺)の金・銀に対する日本人の価値観や美意識について、また1,000年後(現在)の広隆寺の弥勒菩薩を見ての日本人・中国人・韓国人の美意識の違いについて等、本書ではわかりやすく説明しています。
 また、日本という国は、他国へ影響を与えるというよりは、世界史における地理的環境からみて、いろいろなものが溜り、定着する国であるとまとめています。
 20年以上前に初版が出版された本ですが、技術は最先端であっても、グローバル化の激しい波に揉まれ、後れを取っている部分もある現在の日本の姿が理解できる一冊です。                  (NIMIC理事 久保芳昭)

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┏ [8] 2007年度・今後の事業予定  ※詳細は随時お知らせします。
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6月24日(日) 留学生ホームビジット ★
7月27日(金) 日本語ボランティア対象、スキルアップ講座②(5回シリーズ)
9月 (主に大人対象)音楽体験を通して共感・行動プロジェクト「二胡」
9月28日(金) 日本語ボランティア対象、スキルアップ講座③(5回シリーズ)
10月ごろ    世界の人々のくらし(シリーズで複数回)
11月10・11日 市民まつりに参加
12月1日(土) 東京都外国人のための専門家リレー相談会 ★
12月中旬   NIMIC忘年会(留学生・在住外国人・市民)
2008年
1月       外国人対象「着物で初詣で」
春休み     子ども対象英語で遊ぶプロジェクト

子育て中のお母さんのための生活に役立つ日本語講座(保育付) ★※公民館事業
  ★印は、西東京市との共催事業です。

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 今回のNIMIC通信は、いかがでしたでしょうか。みなさまのご意見、ご感想をお待ちしております。
 メールはこちら→→→ info@nimic.jp
★NIMIC通信のバックナンバーはこちらから。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/magazine/back_number.html
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