西東京市多文化共生センター

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   NIMIC通信 No.23(2008年3月)
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もくじ
[1] 事務局より「NIMIC総会のお知らせ」
[2] 事務局より「NIMIC理事会では・・・」
[3] 会員より「坂の街・テグシガルパの窓から⑩」
[4] 世界の国々・人々 ~忘れられない旅⑬~
[5] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために⑲
[6] 2007年度・今後の事業予定

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┏ [1] 事務局より「NIMIC総会のお知らせ」
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 NIMIC総会を以下のとおり開催する予定です。会員の方はどなたでも参加できます
ので、ぜひご参加ください。

日時 5月11日(日) 午後 ※詳細未定

 なお、総会後には、留学生など外国の方数人によるミニ講座やティーパーティーを
予定しています。多くの会員の皆さんにご出席いただきますよう、よろしくお願いしま
す。
詳細は決定次第、NIMIC通信やNIMICのHPでお知らせします。

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┏ [2] 事務局より「NIMIC理事会では・・・」
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 NIMICでは、定款に基づき、センターの活動方針や、事業計画、収支予算などを理
事会で決め、総会の議決を経て、実施しています。
 今回は、あまり表面に見えない理事会の様子、理事の仕事をお伝えします。

 理事会は、佐々木代表以下7名の理事で構成されており、原則、月1回開催してい
ます。
 発足当時は6名の理事で、会議も手探り状態でしたが、今年度、総務担当理事を
迎え、議題の整理や会議の進行がとてもスムースになりました。
 議題は、事業の進捗状況や実施結果の報告、次の予定事業の実施方法、役割分
担など、経常的なものから、NPO法人にすべきか、また、NIMIC通信No.20でご紹介し
た天津との交流をどのようにするかなど、大きく重要なテーマについて議論し、会員の
皆さんの理解が得られるか判断したりします。
 年度末を迎える現在は、今年度の事業の総括、決算、来年度の事業計画、予算編
成、そして、これらを諮る、5月に予定している総会の準備です。
 昼間仕事をしている理事が多いので、開催時間は午後6時半から始めて、議論が
白熱すると、夜9時過ぎになってしまうこともあります。お腹がすくので、お弁当を取っ
たり(もちろん自費です)、持ち寄りのお茶菓子で「茶腹も一時」と「腹の虫」をなだめな
がら頑張ったりしています。
 理事会だけで議論し決定しても、会員の皆さんの理解と協力がなければ、何もでき
ません。疑問や不明なことのお問い合わせはもとより、いろいろなご意見をお寄せくだ
さい。お待ちしています。       (NIMIC副代表理事 木下 伸子)

 日本はグローバル社会の進展にともない、また少子高齢化とあいまって、日本に定
住する多国籍の外国人が増加しています。西東京市においても同様の傾向にあり、
ますます言葉・習慣の違いを互いに理解した地域での多文化共生社会の実現が望ま
れています。
 NIMICの総務担当理事として、この一年、(1)理事会の議事次第と議事録作成、
(2)総会の準備、(3)NIMICの各種講座の支援、多文化イベントの支援、西東京市民
まつりへの参加コーデイネートなどを担当してきました。理事として、1年が経とうとして
います。
 今後は(4)法人化に向けた各種準備、ならびに(5)規範、危機管理、個人情報など、
自立したNPO法人としてのマネージメントの整備が必要であると考えています。
 
 私は40年間の企業人生から、まったく異分野の地域社会での活動へとチャレンジ
し個人的な人生のパラダイムシフトを行いました。
 そこでNIMICを選んだのは、国籍、言語、文化の違いを認めあい、尊重しあう「多
文化共生社会」の構築を目指していることに共感を覚えたからです。また、NIMICと絆
の深い地域の現場である“「日本語」で交流・虹の会”の一員として地域在住の外国人
一人ひとりにお互いの文化を理解しながら、言葉(日本語)・文化・生活習慣を伝える
活動を行っています。

 会員の皆さんのなかで、今後の課題である上記(4)(5)に協力していただける方が
いらっしゃいましたら、ぜひ事務局までご一報ください。       (NIMIC理事 久保 
芳昭)

 財務担当理事の斎藤です。今は年金生活ですが、現役の時代に銀行員として海外
で5年ずつ2回、10年を過ごしたこともあり、定年後は、異文化理解、多文化共生の
問題や日本語教育を中心とする在日外国人支援などに興味を持ち、NIMICに参加し
ています。
 銀行員として長い間お金を扱ってきた経験から、NIMICでも主としてお金に関する
仕事を担当しております。すなわち、皆様の入会時の会費の受入れから始まり、それ
に伴う名簿の作成管理、日常のお金の出し入れの管理、会計帳簿の記帳、期末の決
算処理、決算書類の作成、さらに理事会の活動計画案に基づく、来期の予算案作成
等々が基本的な担当業務です。
 折をみてNIMICの事業もお手伝いしておりますが、これまでは時間の関係もあり、
会員の皆様とお目にかかる機会はまだ少ないかもしれません。
 財務・会計・経理などのご経験者で、ご支援・ご助力いただける方がいらっしゃいま
したら、ぜひ事務局までご一報ください。       (NIMIC理事 齋藤 勝)

※NIMICの組織について、皆さんに理解していただき、よりよい運営をしていくために
も、NIMIC通信では不定期に理事の仕事等についてお知らせしていく予定です。

★NIMICの組織について、詳しくはNIMICのHPをご覧ください。
→→→ http://www.nimic.jp/jpn/center_soshiki.html

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┏ [3] 会員より「坂の街・テグシガルパの窓から⑩」
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 2006年6月に「西東京市で響きあう ~共演、ガーナの太鼓・日本の和太鼓~」と
題して行ったイベントに協力していただいた(お仕事の都合により、残念ながら当日は
出演していませんでしたが、コーディネート、練習等でご協力いただきました)「保谷和
太鼓会」のメンバーがホンジュラスの首都テグシガルパに赴任し、現地の様子をリア
ルに伝えるおたよりを寄せてくださいました。以下にご紹介します。
※テグシガルパは盆地とはいえ、たくさんの丘があり、坂の多い街だそうです。

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 「仕事でしばらくホンジュラスに行ってきます」
 友人知人にこう報告すると、返ってくる答えは判で押したように、
「へぇ…で、どこでしたっけ、それ?」
というものでした。
 そんな知られざる中米の国、ホンジュラスに来てはや1年。
 日々の暮らしで出会った小さな驚き、発見のあれこれをお届けします。

-暑いのがお好き?-
 テグシガルパは標高約1000メートルに位置しているため、気候はカラッとしていて、
木陰は涼しいのですが、陽射しは1年を通して厳しく、5分も日向で立っていると素肌
がジリジリと音を立てて焼けていくようです。
 ある日ホンジュラス人に、「日本人は日焼けを毛嫌いする人が多いよね。ちょっと小
麦色の方が健康そうに見えるし、魅力的なのに」と言われました。
 確かに日本女性は美白志向で、化粧品売り場を見ると白さを売りにした商品が所狭
しと並んでいます。
 さらにその知人は抜けるような青空を指して「こんなに晴れてるのに傘を差すなんて、
日本人くらいだよね~」と揶揄します。
 そういえば以前住んでいたアルゼンチンでも、日焼けするのはバカンスに行った証
拠とばかり、お金持ちほどこんがり色づいた肩を誇らしげに出していました。シミが富
裕層のステイタスとさえ感じられたものです。
 そう考えると、ドラキュラみたいに日光から逃げようとするなんて、確かにヘンかもし
れません。でもお肌の曲がり角を過ぎた女性に日焼けは致命的なのよ…。
 とつぶやきながら、青空の下、街行く人を見ていると、ちらほらと傘をさしているホン
ジュラス女性が!さすがに日本人のように黒い傘の人はいませんが、カラフルな雨傘
を日傘として利用している人もいるようです。
 国は違えど、感じること、考えることは同じなんだと、にわかにホンジュラス人に親
近感が湧いた瞬間でした。        (Yuko Watayama)

 次号も、「坂の街・テグシガルパの窓から」を掲載しますので、お楽しみに!

★2006年「西東京市で響きあう ~共演、ガーナの太鼓・日本の和太鼓~」の様子は、
NIMICのHPでご覧いただけます。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/event/060617.html

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┏ [4] 世界の国々・人々 ~忘れられない旅⑬~
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 「世界の国々・人々」と題したこのコーナーでは、ある国にスポットをあて、その国の
文化・人々との交流を、不定期ですが、いろいろな形でお届けしていきます。
 引き続き、NIMIC代表理事であり、武蔵野大学・大学院教授でもある佐々木瑞枝先
生の書き下ろしエッセイをご紹介します。

71日間、世界の青年たちとの船の旅

 第13回 「ボンベイでの日程」
 
 船が港に錨を下ろした。大地に足を下ろすのは本当に久しぶりだ。揺れている船の
上でうまく歩けるようになった体に、揺れない大地は戸惑うかもしれない。
 
 朝八時、船はボンベイに入港、港では軍楽隊が我々を迎えるために歓迎の音楽を
演奏し、我々はタラップを制服に身を包んで厳粛な気持ちで降りていく。歓迎のセレモ
ニーの間、我々は「起立」の姿勢で式に臨む。高校時代でさえ、制服を着るのが苦手
だった私にとっては、初めての「厳粛な」体験である。
 
 代表の武者小路先生が英文で挨拶を述べ、軍楽隊の高らかなトランペットの音で
式は終わった。さあ、これからインドの大地で何が起きるのだろう。
 
 ボンベイ一日目はバスで何箇所も移動し、公式訪問で一日が終わった。総務省の
指揮下にあるのだから当然かもしれないが、早くインドの大地を歩き回りたい!
 
 ボンベイ二日目。六時起床、七時空港へバスで、空路デリーへ、十時半デリー着、
十二時日本大使館でランチパーティー、二時バスで観光、五時半副大統領表敬訪問、
六時インド青年との交歓会、九時半ホテル着、十時夕食、そしてやっと部屋にたどり
着いた時は、皆すっかり疲れ果てていた。ああ・・・・!
 
 三日目、四時半起床、列車でアグラへ。
 かつて栄華を極めたムガール帝国の首都として栄えた町。皇帝シャー・ジャハーン
が愛妻ムムターズ・マハルの死を悼み建てた名建築タージ・マハールはあまりにも美
しい。
 我々は夢中でシャッターをきる。でもインドの青年の「タージ・マハールは、確かに美
しいかもしれません、でも亡くなった王妃のために建てても王妃は生き返らない。先生、
インドの貧しさとタージ・マハールの美しさ、それが正に今のインドなのです」と。
 
 列車でホテル戻ったのは夜の11時だった。
 
 四日目、五時半起床、空路ボンベイへ。十二時船上でゲストを迎えてランチパーテ
ィー、そして六時に船は港を離れた。ああこれが公式訪問というものか。余りにリッチ
なメニューに食傷気味だったのは、私だけではないようだ。
 
 「僕たちは、タイムテーブルの上を回る駒」とはギリシャ青年の感想だ。せっかく陸
にあがったが、自由に歩き回れた時間はアグラの観光のみだった。
 
 私たちは、生きているインドを本当に見たのだろうか。
 
 (筆者はこの後、一人でインドを再訪した。本当の姿を見てみたかったのだ)
 
                    (武蔵野大学・大学院教授 佐々木瑞枝)

★これまでに掲載したエッセイのバックナンバーはNIMICのHPでご覧いただけます。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/magazine/essay_1.html

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┏ [5] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために⑲
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワ
ードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
19回目の今回は、アフリカのケニアで、マサイの戦士の一家に生れたレマソライ・レク
トン少年が、アメリカで教師になるまでを描いた実話をご紹介します。

『ぼくはマサイ ―ライオンの大地で育つ―』
   ジョセフ・レマソライ・レクトン著 さくまゆみこ訳 (さ・え・ら書房 2006年)

 マサイはマー語を話し、牛を飼う遊牧民であり、木の枝に牛の糞を塗りつけた家で
暮らし、草地を求めて村単位で移動して生活します。生活の全てが牛とともにあり、牛
を襲う猛獣に対しては、たとえライオンでも恐れずに戦うことで知られています。
 その頃、ケニア政府は全ての遊牧民に対し、一家族1名ずつ子どもを学校に行か
せなければならないという法律を定めました。いやがった兄たちに代わって、レクトン
家ではレマソライが小学校(アメリカの宣教師が経営)に入ったが、困ったのは、遊牧
民の村は牛とともに移動するが、学校は1ヶ所にとどまっていること。
 二年生(7才)からは寄宿舎に入りましたが、長期休暇に入ると、今どこにいるかわ
からない家族を求めて、何十キロもの土地を何日もかけて、自分の村を捜して歩く生
活でした。
 勉強がよくできたレマソライは、やがてカバラック・ハイスクールへ進学します。そこ
では「ケニア中から集まる生徒たちは、種族、氏族もいろいろで、まるで小さな国連み
たい・・・お互い同士は英語かスワヒリ語で話していた。」
 その後、奨学金を得てアメリカの大学に進学し、現在は1年の半分をアメリカで教
員生活、半分をケニアで過ごしています。
 「思うに、一番大変だったのは、家族そのものでも、なれない食事でも、歩いて家に
帰る旅でもなく、ぼくが村の人たちとは少しずつ違ってくるという点でした。家にもどる
たび、自分がちょっとずつちがうように見えてくるのです。」
 異なる言葉、異なる生活習慣、異なる価値観の中で過ごすレマソライ少年の人生
は、常に異文化体験なのです。それらの中で彼が根幹に位置づけるマサイ文化の描
写がすばらしいです。
 振り仮名つきで小学校高学年から読めますが、大人の方にお薦め。本屋さんで発
売中です。      (NIMIC会員 根本 百合)

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┏ [6] 2007年度・今後の事業予定  ※詳細は随時お知らせします。
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2008年
3月15日(土) 子ども対象「英語で楽しく!」★
  26日(水)~28日(金) 春休み子ども日本語教室
  
子育て中のお母さんのための生活に役立つ日本語講座(保育付)3期は、1月16日
から3月12日まで ※公民館事業に協力

  ★印は、西東京市との共催事業です。

☆★☆ 2008年度の事業について、アイディアやご意見をお寄せください。お待ちして
います。

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 今回のNIMIC通信は、いかがでしたでしょうか。みなさまのご意見、ご感想をお待ち
しております。
 メールはこちら→→→ info@nimic.jp
★NIMIC通信のバックナンバーはこちらから。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/magazine/back_number.html
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