西東京市多文化共生センター

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  NIMIC通信 No.41(2009年9月)
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もくじ
[1] 講座お知らせ「日本語ボランティア・フォロー講座(2)」
[2] 募集「中国語教室に参加しませんか」
[3] 報告「市の総合防災訓練にNIMICも参加」
[4] 報告「子ども日本語夏休み教室(中学部)」
[5] 西東京市多文化共生センター窓口だより〜多文化の最前線〜(6)
[6] 世界の国々・人々 〜多文化に生きる(1)
[7] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(36)
[8] 2009年度・今後の事業予定


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┏ [1] 講座お知らせ「日本語ボランティア・フォロー講座(2)」
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 待遇表現の学習でかなめになるのが「場面再現力」と「学習者自身の
自己表現力、評価力」です。学習者側にも教師側にも「日本ではこうだから
こうしなければならない!」というかたくな考えがあってはなりません。
本当に言いたいことが言えず、表現にばかりとらわれてしまいます。では、
どうしたらいいのでしょうか。
 講座では、『にほんご敬語トレーニング』の「4課 断る」を例に談話の
構成力について皆さんで考えます。
 参加の皆さんには宿題があります!役割課題にのっとって、場面を
想像し、流れに注意しながら、AさんBさんのやり取りを書いてみて、当日
持ってきてください。

日時:10月3日(土) 午前10時〜正午
会場:西東京市役所田無庁舎202・203会議室
対象:現在外国人の日本語学習をサポートしているボランティアの方
テーマ:みんなで学ぶ「敬語」
      〜自分のことにひきつけて考える・身につける〜
講師:金子 広幸 氏(『にほんご敬語トレーニング』著者、
  東京大学大学院工学系研究科国際交流室日本語教室
   日本大学本部国際課日本語講座 日本語教師)
参加費:NIMIC会員 無料、会員でない方 1,000円(当日入会できます) 
定員:40名 (先着順)
申込み:先着順で受付中(お名前、ご所属、連絡先を明記してください)
    メール  または FAX 042-461-0381

役割課題
Aさん:あなたは部長に来週火曜日の会議に出るように言われました。でも、
   月曜日から水曜日まで大阪に出張です。丁寧に断ってください。
Bさん:あなたは部下(A)に来週の火曜日の会議に出席してもらいたいと
   思っています。部下(A)の予定を聞いてください。

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┏ [2] 募集「中国語教室に参加しませんか」
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 前号のNIMIC通信で中間報告をしました「中国語教室」を、10月から
開催することとしました。定員が限られてはいますが、参加ご希望の方は、
以下をご確認のうえ、お申し込みください。

日時:10月から12月までの毎週日曜日 午後2時〜3時30分
   ※10月は4日と29日の2回のみです。
場所:西東京市多文化共生センター (インクビル1階)
内容:講師の先生を囲んで、その時々の話題を、気楽に、中国語で
 語り合います。会話の中で、いろいろな表現を学び、会話を通しての
 相互の交流を図るような内容とします。
 特にレベルは設定していませんが、初心者(少しでも中国をかじった
 レベル)でも、十分参加可能な内容となるよう予定しています。
講師:東京大学農学博士 練先生
定員:8人
参加費:教材実費(教材印刷代等)
申し込み:9月25日(金曜日)までにメールで。
  申し込み先 hi-ono@jcom.home.ne.jp  小野 博
  ※定員を超えた場合、抽選。9月末日までに全員に結果を連絡します。

 この教室は当面は12月までとし、いったん運営方法の見直しを行った
うえで、1月以降も継続実施する予定です。
 中国語にご興味をお持ちの方は、ぜひご参加ください。

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┏ [3] 報告「市の総合防災訓練にNIMICも参加」
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 9月6日(日)、西東京市の総合防災訓練がありました。NIMICは、
災害情報Web訓練、避難所運営訓練の一部に参加しました。各訓練の
詳細は以下のとおりです。
・市のホームページを災害情報画面に切り替え、災害時必要な情報を
(1) 日本語(2)英語(3)中国語(4)韓国語(ハングル)により公開する。
・訓練会場で行われる「避難所運営訓練」担当職員から要請される、
避難所掲示用「多言語シート」の翻訳を実施する。
 当日、NIMICからは、久保理事、種村理事、白根、語学ボランティアの
鳴尾さん(英語)、申さん、新後閑さん(韓国語)、木村さん、松本さん
(中国語)が参加しました。
 午前9時、災害情報室に無線による被害状況報告が入ってきました。
訓練といえども緊張しました。その後、ホームページの切り替えを見学し、
市のホームページ担当者から説明を受けました。今回は訓練なので、
災害情報はボランティアの方たちにあらかじめ翻訳しておいてもらった
ものを掲載しました。
 10時、避難所である保谷小から要請された「多言語シート」(「トイレ」
「避難所」「保谷町避難勧告発令中」「救護所は正門前です」「食料配給は
10:30〜」)を翻訳しました。そのあと、ホームページが現地の映像を加えた
ものに更新されたのを見ました。携帯電話用サイトでも災害情報を見られる
ことを木村さんと松本さんが試してくれました。11時に災害情報室での
訓練は終わりました。
 NIMICにとっては今回が初めての訓練参加でしたが、災害時に多言語で
伝えることの重要性や語学ボランティアが集まるシステムの必要性を
実感しました。
    (NIMIC多言語部会 白根祐子)

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┏ [4] 報告「子ども日本語夏休み教室」
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 夏休み教室後半が、8月25日から27日の3日間開かれました。
 中学部は初参加の2人を含めた3人が3日間皆勤、1人が学校活動の
ため1日参加でした。理科や作文など初めての夏休みの課題や、日本語の
勉強に熱心に取り組みました。実習のみなさんも、一緒に教科書を広げ
参考書にあたったりと活躍してくれました。11時半からは小学部と合同で、
2年目となる保谷和太鼓会による太鼓教室がありました。去年とは違い、
子どもたちがほとんどけんかすることなく、きちんと稽古できたことが
印象的です。きめ細やかな指導のおかげで3日目には法被を着て、
りっぱな発表もできました。会のみなさんによる演奏は、心身に響く
太鼓の音を間近に聞ける貴重な時間でした。9月3日から、部活動や
里帰りのため欠席だった3人を加え7人の中学生で、子ども日本語教室
中学部の新学期が始まります。
   (NIMIC子ども日本語教室中学部担当 小野千穂)

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┏ [5] 西東京市多文化共生センター窓口だより〜多文化の最前線〜(6)
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 西東京市多文化共生センター窓口の金曜日を担当することになって、
早くも半年が経過しました。これまでの感想を一言で言えば、一つの拠点が
できたことによって、思わぬ人の輪が広がったということです。専門家の言う
ネットワーク化の進展というほどではないにしても、このセンターを中心にして、
人材や情報が集まり始めたことは間違いありません。数ヶ月前にこの
NIMIC通信で、我々窓口担当者の語学力の非力さを述べたことがあり
ましたが、早速、市内の日本語教室に参加している日本語・中国語共に
堪能な留学生から、中国語の通訳ボランティアの申し出があり、たまたま、
小生担当の金曜日に、月2回来ていただくことになりました。その後は、
本当に安心して中国の方の相談に対応することができます。さらに、その
通訳の方とNIMIC会員の皆さんとの交流も増え、新しい人の輪が広がった
感じです。ほぼ同時に、ほかの何人かの方からも通訳の申し出があり、
今後の拡充に備えることができました。拠点があると、何かことがあるごとに
人の輪が広がるように思います。
 さて、外国人からの相談内容は、「日本語教室の問い合わせ」が一番多い
ようですが、最近は、「子どもの日本語が心配だ、どうしたらよいか」「子どもが
病気になった場合、外国語の通じる病院はどこか」など、子どもに関する
心配事も多いようです。一方、「自国の音楽や文化を市民に紹介したい」
「日本での生活も安定したので、自国の言葉をぜひ市民にボランティアで
教えたい」・・・など、外国人からの前向きの相談も増えてきました。
 また、当初に考えていたより、日本人からの相談も結構多く、「会員に
なりたいが、その前にNIMICの活動内容を知りたい」とか、「定年間近だが、
昔、外国でその地のボランティアにお世話になったので、お返しに何か
できないか」「過去の職歴から○○語が得意だが、何か地域に貢献できる
ことはないか」など、定年間近の方の相談も多いようです。
 時を追うごとに、センター窓口への紹介ルートの広がりも感じられます。
市役所の窓口の広がり、学校関係の紹介や、市民協働センター‘ゆめこらぼ’
からの紹介などなど、順調に間口は広がっているとは思います。とはいえ、
まだまだ当センターが、それを本当に必要とする人に十分活用されている
とも思われません。
 先日、中国在留孤児二世として、帰日後大変苦労された方のお話で、
「辛いことがあるときに、どこに相談したらよいかも分らなかった時が一番
辛かった」との感想を述べられました。当センターも、まだまだ非力ですが、
全員が誠心誠意をもって、相談事にお答えしたいと願っております。ここに
一つの新しい拠点ができたことを、ぜひ、関係ある方々にPRしていただきたいと
思います。
   (NIMIC理事 斎藤 勝)

【通訳ボランティア対応】 時間はすべて午前10時〜正午
 中国語・台湾語  9月 4日(金) 、18日(金)、25日(金)
 英語    9月7日(月)
中国語、英語でのサポートが必要な方がいらっしゃいましたら、ぜひ、この情報を
提供してください。

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┏ [6] 世界の国々・人々 〜多文化に生きる(1)
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 「世界の国々・人々」と題したこのコーナーでは、ある国にスポットを
あて、その国の文化・人々との交流を、いろいろな形でお届けしていきます。
 今月から新しいエッセイを掲載します。掲載開始にあたり、武蔵野大学・
大学院教授であり、NIMIC代表理事でもある佐々木瑞枝先生から、
新しいエッセイの紹介が届いています。

 皆様、長い間「忘れられない旅」お読みいただき、ありがとうございました。
 今月からは多文化共生の先進国であるオーストラリアで、マッコーリー大学の
日本学科長、および日本教育研究センター長であったCHOW先生にエッセイを
お願いすることができました。
 CHOW先生はさまざまな多文化共生の社会の中で、広い視野をお持ちです。
 先生のエッセイが、きっと我々に新たな思考を生む土台になると信じています。
   (NIMIC代表理事 佐々木瑞枝)

多文化に生きる

 1回 「序」

 7月にNIMIC代表理事の佐々木瑞枝先生がシドニーにいらっしゃいました。
日本研究の国際学会出席のため、大学院生二人をお連れになっての来豪
でした。真夏の東京から、真冬のシドニーへ、大変な季節差です。でも、
相変わらず精力的に仕事をこなされていました。何年も前から敬愛申し上げて
いる先生と久しぶりにお目にかかって話しがはずみました。その時、NIMICの
話を伺い、Website寄稿の話になりました。

 お引き受けすることにしたのは、私自身の人生経験が少しはお役にたつかも
しれないと考えたからです。もともとは東京生まれの東京育ち、小学校から
高校までは成蹊学園でしたから、西東京市はなつかしい地域です。早稲田大学
卒業後米国の大学院に留学、そして結婚、その後の人生は総て海外で送る
ことになりました。アメリカ、カナダ、オーストラリアの三国に暮らして40年以上に
なります。どの国も多文化共存の国です。三国の何れもイギリス植民地が
独立して、多民族の移住によって築かれた国です。人種構成も似通っています。
しかし、人種間の摩擦、多文化による恩恵ということを考えると、三国に
暮らしてみた体験から、オーストラリアが一番成功している気がします。二人の
娘もオーストラリアで生まれ、多文化の豊かさを存分に受けて育ちました。
 だから愛着が特別強いということも無論ありますが。

 オーストラリアの人口は現在2千万人余り。その4分の1に当たる
約5百万人が海外から移住した要するに一世です。出身国は、英、米、カナダ、
ヨーロッパ各国、アジア各国、中東、アフリカ、南米諸国など、主要出身国だけ
数えても50カ国以上、世界の全地域に及びます。共通語は英語ですが、
家族レベル、あるいはコミュニティ・レベルで使われる言葉はイタリア語、
ギリシャ語、中国語、スペイン語、トルコ語、アラブ語などを含めて40カ国語
近くです。

 ご存知の人も多いと思いますが、オーストラリアは建国の1901年から通称
「白豪主義」と呼ばれる政策をとりました。これが、海外からの突き上げもあり
ましたが、むしろ国内の知識層を中心とする動きによって撤廃されたのが
1970年代初めのことです。それから40年間、新生オーストラリアの
アイデンティティに多文化主義を掲げ、政府から民間にいたるまであらゆる
レベルで努力がされました。多民族がただ単に共生するのみでなく、異文化を
不利と考えず、多文化の恩恵に焦点を当てるという努力です。この意識的
努力がオーストリアを多文化共生の成功国にしている理由の一つでしょう。

 多種多彩の文化が肩を擦れ合わせている社会で生きるということはどういう
ことなのか。日々の経験の中から何を学ぶのか。私自身の体験を元に、
次回から書いてみたいと思います。
     (チャオ・埴原三鈴〈Misuzu Hanihara Chow〉)

チャオ・埴原三鈴(Misuzu Hanihara Chow)プロフィール
 早稲田大学政治経済学部新聞学科卒業
 カリフォルニア大学バークレー大学院 修士
 日文研審査により 学術博士(PhD)
 カリフォルニア大学バークレー、トロント大学で日本語、及び日本文化を
 教えた後、オーストラリアマッコーリー大学〔国立〕において日本学科設立
 1988−2006年 同大学日本学科長
 1994−2007年 同大学日本教育研究センター長兼任
 2007年 同大学退官
 現在 同大学名誉賛助員

★これまでに掲載したエッセイのバックナンバーは、NIMICのHPで
ご覧いただけます。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/magazine/essay_1.html

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┏ [7] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(36)
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。
この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の
紹介を始めました。
 前回は日本語という言語に深く興味を持っている外国人を紹介しましたが、
36回目の今回は人間が大好き、日本の下町の暮らしを120パーセント
楽しんでいる人をご紹介します。

『下町の外人さん』 ジム・ハッサウェイ著 志摩千歳訳
    産業編集センター出版部  2000年9月 1,300円
 
 著者は、ニューヨークで美術を学び油絵を描いていたが、日本人の彼女を
訪ねて休暇旅行のつもりで来日、そのまま日本に住みついてしまったという
アメリカ人。現在はその彼女と結婚して二人のお子さんも生まれ、下町の
長屋で暮らしています。長屋暮らしはどの家の事情も筒抜けの町内共同体の
ような生活・・・みんなが顔見知りで、心が通い合う暮らし・・・その楽しさを
満喫しています。
 今は和紙に墨と筆で風景画を描いていますが、線が丸みを帯びて、なんとも
いえない温かみのある不思議な墨絵です。和紙、墨、筆、硯、表具、風呂桶など
下町に住むたくさんの職人さんたちとの交流から、仕事に妥協しない職人気質を
素晴らしいと思うとともに、その子どもたちの多くが跡を継がないことを知り、
日本の将来を憂えているのです。
 
 軽く読めるエッセイ集なのですが、文化を受け継ぐというのはどういうことか、
いろいろと考えさせられる本です。
   (NIMIC会員 根元 百合)

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┏ [8] 2009年度・今後の事業予定 
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※詳細は随時お知らせします。
9月20日  二胡体験講座
10月3日  日本語ボランティア・フォロー講座(2)
10月17日 講座「日本で暮らす外国人が抱える悩みと相談」
  24日 講座「外国人が抱える異文化ストレスと通訳が抱えるストレス」
11月14日・15日     西東京市民まつり出展
12月12日    外国人のための無料専門家相談会

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 今回のNIMIC通信は、いかがでしたでしょうか。
みなさまのご意見、ご感想をお待ちしております。
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 http://www.nimic.jp/jpn/magazine/back_number.html
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