西東京市多文化共生センター

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  NIMIC通信 No.43(2009年11月)
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もくじ
[1] お知らせ「第9回西東京市民まつりに出展」
[2] 講座お知らせ「日本語ボランティア・フォロー講座 特別講演」
[3] お知らせ「外国人のためのリレー専門家相談会」
[4] お知らせ「NIMIC交流忘年会」
[5] 講座報告「日本で暮らす外国人が抱える悩みと相談」
[6] 講座報告「外国人が抱える異文化ストレスと
 通訳が抱えるストレス」
[7] 会員から「外国人留学生スピーチコンテストへのご案内」
[8] 会員から「多文化協働実践研究全国フォーラム」のお知らせ
[9] 西東京市多文化共生センター窓口だより〜多文化の最前線〜(8)
[10] 世界の国々・人々 〜多文化に生きる(3)
[11] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(38)
[12] 2009年度・今後の事業予定

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┏ [1] お知らせ「第9回西東京市民まつりに出展」
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  第9回西東京市民まつりが11月14日(土)・15日(日)に開催されます。
 NIMICは、市内に暮らす多様な国籍の人々を同じ地域の住民として捉え、
地域づくりをする多文化共生の必要性を市民に広く知ってもらうために、今年も
市民まつりに参加します。
 ぜひNIMICのテントにお立ち寄りください!
◆日時・場所
 11月14日(土)午前10時〜午後4時
15日(日) 午前9時〜午後3時30分
 西東京いこいの森公園(緑町3-2;谷戸小学校隣)
◆出展内容
(1)多文化共生の日常活動紹介(NIMIC、日本語教室)
(2)参加型ワールド知的ゲーム(正解者へは食事への招待プレゼントあり)
 大型の世界地図(ドイツ語、フランス語)を前にして世界遺産の名称と
 国名クイズ、または世界の国旗の国名・都市名当てクイズ、徒歩で
 世界の旅(隣国)当てクイズ
(3)伝統文化のミニ体験(プロの奏者が演奏、指導します)
 モンゴル国の伝統芸術文の馬頭琴、中国の伝統芸術文化の二胡

★昨年の「市民まつり出展」の様子は、NIMICのHPでご覧いただけます。
  →→→ http://www.nimic.jp/jpn/event/081108shiminnmatsuri.html

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┏ [2] 講座お知らせ「日本語ボランティア・フォロー講座 特別講演」
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 オーストラリアは多文化主義社会としていちばん成功した国の一つと言われます。
 「白豪主義」が撤廃された1970年代から、政策として多文化主義が掲げられ、政府、国民両面から数々の努力がなされてきました。
 日本も多文化共生を目的として国や国民の心を広く世界に広げるには、どんな努力と準備が必要でしょうか。オーストラリアの経験をたどりながら、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

日時: 11月21日(土)午前10時〜11時30分
会場: 田無庁舎 202・203会議室
対象: 日本語ボランティアの方・一般市民の方・学生
テーマ:『多文化社会の建設』〜オーストラリアの経験から〜
内容:講演 午前10時〜11時、ワークショップ 11時〜11時30分
講師:チャオ・埴原 三鈴氏(オーストラリア・国立マッコーリー大学
 元日本学科長)
参加費:NIMIC会員および学生:無料
    会員でない方:1,000円(当日入会できます) 
定員:50名(先着順)
申込み:以下の方法で先着順に受け付け中
   ※タイトルを「11月21日講座申し込み」としてください。
  メール info@nimic.jp FAX 042-461-0381

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┏ [3] お知らせ「外国人のためのリレー専門家相談会」
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 弁護士、行政書士、社会保険労務士、精神科医、女性のための
カウンセラー、市の職員などと無料で相談ができます。
 疑問に思っていることやわからないことなどを気軽に相談してください。

【相談できる内容】
 国際結婚・離婚、事故、ビザ、在留資格、労働問題、税金、年金、
健康保険について、パートナーからの暴力(DV)、家族の問題、女性の悩み、
こどもの成長についての不安や悩み、心の問題や学校生活の悩み…など。

日時 12月12日(土)午後1時〜3時30分
会場 南町スポーツ・文化交流センター きらっと
通訳言語 英語、中国語、韓国・朝鮮語、スペイン語、フランス語、
タガログ語、ロシア語、イタリア語
※予約はいりません。会場に来た人から順番に相談できます。
※秘密は守ります。
※相談には、通訳ボランティアが付き添います。

<問合せ>西東京市生活環境部生活文化課 TEL 042-438-4040(日本語のみ)
主催 西東京市、西東京市多文化共生センター
共催 東京都国際交流委員会、東京外国人支援ネットワーク

都内全体のスケジュールは、東京都国際交流委員会のHPで確認できます。
 →→→ http://www.tokyo-icc.jp/relay_soudan/index.html

Free consultation for foreign residents
Date & Time: Dec. 12. 2009 (Sat.) 13:00 -15:30
Place: Nishitokyo City, Minami-cho Sports & Culture Center “Kiratto” 2nd
Floor
(Access: 3 minutes walk from the South Exit of Tanashi Station,
Seibu-Shinjuku line)

Consultation with the specialists, including Lawyers, Notary Public, Social
Insurance workers*, Psychiatrists, Counselor for female problems, City Staff
etc.
*Person licensed to make out, on behalf of others, reports and petitions to
a Social Insurance office.
Please feel free to consult whatever doubtful or difficult to understand.
Languages available: English, Chinese, Korean, Spanish, French, Tagalog,
Russian and Italian
*First come, first served. No appointment required.
*All consultation and privacy will be kept confidential.
*The translator (volunteer) will attend on your consultation.
For further information: Nishitokyo City, Citizens & Cultural section
?(Phone: 042-438-4040 *Japanese only)

See the website (Tokyo International Communication Committee)
 →→→ http://www.tokyo-icc.jp/map/soudan/consult_a.pdf

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┏ [4] お知らせ「NIMIC交流忘年会」
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 今年も地元の留学生や外国人と会員の皆さんの交流忘年会を開催します。
ゆっくり思い出を語ったり、新しい出会いの場として、ぜひご参加ください。

日時:12月18日(金)午後6時30分〜8時30分
会場:北京飯店(イングビル2階)
参加人数:留学生約10名を含み40名程度
参加費:留学生500円/NIMIC会員:大人2,000円/学生1,000円/子ども500円
     ※会費は当日受付でお支払いください。
申込み:11月18日(水)から先着順で受け付けます。 ※12月4日(金)締切
     Eメール:event@@nimic.jp(@をひとつ削除してお使いください)
      または、FAX:042-461-0381
    (タイトルを「交流忘年会申込み」としてください)

★昨年の「NIMIC交流忘年会」の様子は、NIMICのHPでご覧いただけます。
  →→→ http://www.nimic.jp/jpn/event/081216bounenkai.html

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┏ [5] 講座報告「日本で暮らす外国人が抱える悩みと相談」
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 10月17日(土)、コール田無で「日本で暮らす外国人が抱える悩みと相談」と題した講演会がNPO法人国際活動市民中心代表理事の黒澤玉夫さんを講師に迎えて行われました。
 東京には190カ国40万人以上(人口比率3.19%)、西東京には70カ国、3千人以上の外国人が住んでおり、言葉の違いからくるコミュニケーションの問題、住宅・医療・雇用・災害に対する不安など生活上の問題、そして、日本人地域住民との接点が少なくなじめない、文化的摩擦や偏見から、差別されるなど地域社会での問題を抱えている実態と、一方で日本人の側には、まだ、文化・生活習慣の違い、社会的負担の増加、犯罪・トラブルの増加などに懸念を示す人も少なくないことを、外国人相談やアンケート調査などのデータに基づき話してくださいました。こうした外国人への支援活動も行政、民間それぞれに取り組んではいますがまだ不足、両方が車の両輪のように機能することと、私たち地域住民が外国人に対し、隣人として、友人として、普通に付き合っていくことが必要と結んでいらっしゃいました。
 軽妙な語り口の中にも、外国人のためのリレー専門家相談会の立ち上げに尽力された経験も持たれる講師の話には参加者の大多数が納得し、示唆を受けたようでした。

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┏ [6] 講座報告「外国人が抱える異文化ストレスと
                    通訳が抱えるストレス」
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 10月24日(土)は、田無庁舎で「外国人が抱える異文化ストレスと外国人相談(心の相談)の通訳ボランティア」という題で、精神科医の倉林るみいさんのお話を聞き、後半は用意された事例をもとに通訳する際の心得などをワークショップ形式で学びました。外国人が異文化に適応していく過程や異文化ストレスで心の問題を抱えるプロセス、その医療の難しさ、子どものうける異文化ストレスも少なくないなどのお話に、学校、職場、地域社会それぞれで、出来るだけストレスを与えない工夫が必要だなと感じました。
 講師はさらに、一般的な心の医療に関して心療内科、精神科、神経内科、神経科など、どういう病気・症状のとき、どの科の対象になるか等の解説もされ、今まで紛らわしかったことの整理ができました。外国人相談会で、心の相談の専門家として関わっている立場から、通訳ボランティアとして配慮してほしいことをあげられましたが、話しやすい雰囲気づくり、相手の立場にたって話を聞く、差別や偏見を持たない、秘密を守るなど、外国人に限らず、相談に携わる者として、必要な心得だと思います。
 後半は、大家さんから嫌がらせを受けていると、被害妄想的になっている女性について、どのように必要なことを聞き出し、専門家に通訳するかという事例研究を、4〜5人ずつの斑に分かれて行い発表し合いました。
 初めて顔を合わせるような受講生同士ですが、活発に意見交換がされ、和やかな雰囲気で終了しました。
 講師のソフトな語り口もわかりやすく、印象に残りました。

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┏ [7] 会員から「外国人留学生スピーチコンテストへのご案内」
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 現在、武蔵野大学では10カ国から、約240名の留学生が学んでいます。
その留学生たちが“日本”を体験して気づいたこと考えたことを日本語で発表する場として、昨年に引き続き「第5回 学長杯 武蔵野大学 外国人留学生日本語スピーチコンテストを開催します。21世紀は多文化共生の時代、国を超えた「声」は私たちのこれからを考える新たな視点になるかもしれません。ぜひ、多くの皆様にご来場いただきたくご案内いたします。

日時 2009年11月21日(土)午後1時30分〜4時
会場 武蔵野大学 グリーンホール1階
   →武蔵野大学キャンパスマップ
   http://www.musashino-u.ac.jp/ao_extension/campus_map/index.html
主催 武蔵野大学日本語教員養成課程
共催 武蔵野大学国際交流課大学院ビジネス日本語コース、留学生の会

(武蔵野大学大学院ビジネス日本語コース長、日本語教員養成 課程主任 堀井惠子)

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┏ [8] 会員から「多文化協働実践研究全国フォーラム」のお知らせ
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 東京外国語大学 多言語・多文化教育研究センター主催で「多文化協働実践研究全国フォーラム」が開催されます。この「多言語・多文化教育研究センター」は、多言語・多文化社会における問題解決に寄与することを目的に2006年4月に開設されたものです。
 今回は、世界経済危機と日本の「多文化共生」の行方をテーマに、日本のコミュニティー通訳、定住外国人コミュニティーの状況、外国人の居場所づくり、外国につながる子どもたちの教育などについて、パネルディスカッションや分科会等が行われます。

日時 12月5日(土)・6日(日) 両日とも午前10時〜午後5時
会場 東京外国語大学・研究講義棟(西武多摩川線「多磨」駅徒歩5分)
入場無料
※事前に参加申し込みが必要です(11月20日(金)締め切り)。

 参加申し込みおよび詳細は、東京外国語大学 多言語・多文化教育研究センターのHPをご覧ください。
 →→→http://www.tufs.ac.jp/blog/ts/g/cemmer/2009/09/3_9.html
   (NIMIC理事 山辺 真理子)

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┏ [9] 西東京市多文化共生センター窓口だより〜多文化の最前線〜(8)
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 多文化共生センターは相談窓口、コミュニテイの場、また情報発信などに多くの皆さんが関わり活動しています。
 今回は、活動していただいている会員の皆さんが参加して教室、講座、イベントなどを運営する際に、NPO法人NIMICとして、皆さん及びNIMICを窮地に陥らせないように、「個人情報の取扱規定」、「情報の秘密管理規定」を制定しましたので、簡潔に紹介します。
 「個人情報取扱規定」は、業務の実施に当たり、知りえた個人情報をどのように扱うか定めたもので、以下のとおりです。
(1)本業務以外の目的で使用しない
(2)盗用しない
(3)第3者に提供しない
(4)本業務以外の目的に複写、複製してはいけない
(5)管理者に無断で改善しない
(6)管理者に無断で持ちださない
 そして業務終了後は速やかに返還または廃棄など実施するか、または事前に依頼があればその指示に従うこととし、事故発生の際は速やかに関係者に報告することとしました。
 個人情報管理規定を支えるために、「情報の秘密管理規定」を同時に制定しました。
 秘密情報とは情報が(1)秘密として管理されているか、(2)法人として
有用な情報か、(3)公然と知られていない情報かなど、3種の要素があります。
 これらの情報は資料として、またはフアイリングされて管理されるので「秘」「取扱注意」を印字するか、押し印をして鍵付または他人から目に付かないように管理します。
 なんだ、当たり前のことを当たり前に管理して行動すれば良いのだと思うことでしょうが全くその通りなのです。
 会員の皆さん、大いに活動してください!!
   (NIMIC理事(総務担当) 久保芳昭)

【通訳ボランティア対応】
 中国語・台湾語  11月13日(金)、27日(金) 午後2時〜4時
           20日(金)、27日(金) 午前10時〜正午
 英語    11月2日(月) 午前10時〜正午
 中国語、英語でのサポートが必要な方がいらっしゃいましたら、ぜひ、この情報を提供してください。

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┏ [10] 世界の国々・人々 〜多文化に生きる(3)
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 「世界の国々・人々」と題したこのコーナーでは、ある国にスポットをあて、その国の文化・人々との交流を、不定期ですが、いろいろな形でお届けしていきます。
 現在、オーストラリア・国立マッコーリー大学 元日本学科長チャオ・埴原三鈴先生によるエッセイを連載しています。

多文化に生きる

 3回

 オーストラリアでは21歳の誕生日が特別なお祝いである。日本の成人式に
近いといえるかもしれない。友人を集めて盛大なパーティをすることが多い。
我が家でも娘の21歳の誕生日には自宅でパーティをすることにした。大学や
高校時代からの友人を集めて客は約150人。この人数では、とても私自身の
手料理でまかなえるものではない。パーティ専門店を頼むことにした。

 さて問題は献立である。送られて来た献立リストを眺めて一家で頭をひねった。
先ずお肉。友人にはイスラム教もユダヤ教もヒンドゥ教もいるから、牛、豚は
駄目。安全なのは鶏と羊である。海鮮類は貝や甲殻類を避けると、やはり
お魚の切り身が安全そう。インドのブラーマンの家に育った人もいるから、
厳しい菜食者のための野菜料理。カレー料理もあれば、中華風、アラビア風、
いろいろ混ぜる。巻き寿司は意外に無難。それにオーストラリアらしくサラダを
幾種類か加えて・・・ 当地で生まれ育った娘二人の智識に頼りながら、
パーティに来る誰もが不都合なくお腹一杯食べられるように、できるだけ
ヴァラエティにとんだ献立を作り上げた。注文を受け取ったパーティ専門店は
慣れたものである。あらゆる文化の入り混じった献立を見ても、当たり前の
ことといわんばかり。何の疑問もなく気楽に引き受けてくれた。

 パーティの夜、照明が明るく庭を照らした。ヴェランダにいくつもの
長テーブルが置かれ、所狭しと並んだ料理は色とりどり。楽しげにおしゃべり
しながら、旺盛な食欲でそれぞれのお皿に料理を取り分ける若者たち。彼らの
肌の色も髪の色も、これまた色とりどりである。でもそんな違いは誰も気づいて
すらいない。娘は二人とも医学部であるから、友達もほとんどが医者の卵。
共通するのはそれくらいのものであろうか。自宅に帰れば、夫々親から伝わる
文化がある。しかしこうして集まれば、皆オーストラリアで育ち、同じ大学に
通い、共に青春を謳歌する友達同士なのである。

 友人に囲まれて楽しそうにしている娘二人の姿を見て、ああオーストラリアで
育って幸せな娘たち、と思った。オーストラリアの子供たちは幼い時から、
友達を通じて数多くの文化に接し、それを肌で学んで育つ。それは異文化に
対する敬意と寛容度を育て、本人たちの人間の幅を広げる。グローバル化が
進む21世紀の世界で生きていくための素晴らしい技能ではないかと思う。
     (チャオ・埴原三鈴〈Misuzu Hanihara Chow〉)

★これまでに掲載したエッセイのバックナンバーは、NIMICのHPでご覧いただけます。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/magazine/essay_1.html

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┏ [11] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(38)
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。
この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の
紹介を始めました。
 
 38回目の今回は、広島の原爆について書かれた児童書をご紹介します。
児童書に分類されていますが、5〜6年生以上大人まで、充分に読み応えの
ある本です。さまざまな国から来た外国の人々に、原爆について説明する
時にも大変役に立つ1冊ですので、書店や図書館で手にとってごらんください。

『絵で読む 広島の原爆』  文:那須正幹 絵:西村繁男 
        福音館書店 1995年出版  2500円

 戦争や原爆を子どもたちに伝えるために書かれた本はたくさんありますが、
実際に体験した人が悲惨さを叙情的に訴えるものが多かったように思います。
しかし戦後64年が過ぎ、語り伝える側の教師、親そして祖父母までが
戦争を体験していない人ばかりとなり、後世に語り伝えることが難しい
時代になりつつあります。そんな中で登場したこの本は、一見知識の絵本の
ような手法をとりながら、「原爆とは一体どんなものであったのか」
「アメリカにおける開発の経緯」「その時広島にはどんな人々がどんな
暮らしをしていたのか」「広島上空で原爆が爆発して何がどうなったのか」
などを、資料をもとに具体的にわかりやすく説明しています。こう書くと
単なる資料集のように聞こえるかもしれません。ところが、広島の町並みを
描いた詳細な2枚の絵・・・1枚は原爆投下前、木造の日本家屋が密集する
なつかしい街の風景、もう1枚は原爆投下直後の同じ街並み・・・この2枚の
絵の対比と冷静に記述された事実が、形容詞を連ねた叙情的な文章など
よりもはるかに強く、悲惨さを伝えてくるのです。作者の那須さんは
「ズッコケ三人組シリーズ」でおなじみの児童文学者、広島生まれで3歳の
時に被爆し、現在も広島に暮らし続けている方です。
 原爆を知らない外国の方に説明する時、私はいつもこの本を使いますが、
言いたいことをきちんとそして要領よく伝えてくれます。より詳しく知りたい
人には、最後についている資料一覧も便利です。日本語ボランティアに
かかわる方は、ぜひ手元に1冊お備えになることをお勧めします。
     (NIMIC会員 根本 百合)

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┏ [12] 2009年度・今後の事業予定 
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※詳細は随時お知らせします。
11月14日・15日     西東京市民まつり出展
   21日 日本語ボランティア・フォロー講座 特別講演
12月12日    外国人のための無料専門家相談会
2010年
3月13日 子ども対象「英語で楽しく」

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 今回のNIMIC通信は、いかがでしたでしょうか。
みなさまのご意見、ご感想をお待ちしております。
メールはこちら→ info@@nimic.jp(@マークをひとつ削除してお使いください)
★NIMIC通信のバックナンバーはこちらから。
http://www.nimic.jp/jpn/magazine/back_number.html
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発行・編集
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住所 〒202‐0023 西東京市新町1−12−3
FAX 0422‐53‐5350
e-mail info@nimic.jp
ホームページURL http://www.nimic.jp/
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